年齢別の歯並びの変化

0~3歳:子供の歯が生えはじめ、子供の歯の歯列が完成します。

  • 1歳半くらいまでにDが萌出し、卒乳となります。
  • 2歳半くらいまでに歯が生えそろいます。
    卒乳することで、乳児型嚥下から成人型嚥下に移行し、咀嚼を学習していきます。
    指しゃぶりは2歳頃までは生理的習慣で自然な行動ですが、2歳半頃にはやめるように指導しております。(指しゃぶりで開咬になってきます。)
  • 2歳半くらいまでに歯が生えそろい、3歳になると、上下顎の歯はしっかりと咬み合うようになります。

3~5歳:3歳から6歳までは比較的に変化が少ない生え変わりに関しては安定期となります。

  • 乳歯列は歯と歯の間にスペースが開いているのが理想であり、逆に歯と歯の間が少ないと、将来歯のスペースが少なくなりやすいです。
  • 上と下の歯の間にスペースは開いていないですか?
    上の歯と下の歯にスペースが開いていると、舌を歯と歯の間に入れていることがあり、開咬という不正咬合になりやすいです。
  • 歯の真ん中のラインがずれている場合は、偏咀嚼や寝方の問題も関係しているかもしれません。

舌小帯短縮症による構音障害

舌小帯に起因すると思われる構音障害は高温機能の発達完了期の5歳以降に判断し、舌小帯の切除の可否を判断します。

(参考文献:日本小児歯科学会 | 公益社団法人 日本小児歯科学会 ポジションステートメント 舌小帯切除に関する見解 (jspd.or.jp)

当院の介入方法

①口腔機能に対する訓練、指導(保険治療)
②MFT(自費)
③前歯部反対咬合などの異常がある場合は、プレオルソなどの筋機能療法を行ってきます。

子供の歯並びの治療方法について

6~9歳:前歯部交換期、6歳臼歯の生え方

前歯の生え変わりの時期

前歯の生え変わりの時期には注意しなければいけないポイントは、歯の生え変わり、生え方に左右差はないか、2番などの歯の先天欠損がないかチェックします。
必要に応じて、レントゲンにて歯牙の先天欠損を積極的に確認していきます。
過剰歯という余分な歯があることによっても正中のずれや、歯の生え方に左右差を起こすことがあります。

過剰の歯による萌出不全の例

前歯が開いていることから、精査のためにレントゲンを撮影すると、内部に過剰歯という余分な歯が原因で歯が開いています。

先天性の歯牙欠損の例

2番目の歯がなかなかでてこないことからレントゲンを撮影し、永久歯が5本欠損していました。経過観察及び矯正治療インプラント治療介入の検討が必要です。

6歳臼歯の生え方

6歳臼歯の萌出の際に、手前の乳歯の根を傷つけたり、6歳臼歯の歯の生え方に問題ないかチェックする必要です。

6番が近心傾斜して生えてきた場合

乳歯が早く脱落することや、永久歯が遅く出ることによって、長期間歯列に隙間ができると歯列に影響が出ます。萌出の問題によって正中がずれることがあります。 また、乳歯が早くに脱落することにより歯が生えるスペースがなくなり、自然に歯が生えづらくなる可能性がございます。

歯肉弁を噛んでしまう場合

6歳臼歯である大人の奥歯が生える際に、歯茎が歯の上に乗りそのまま噛んでしまったり、汚れがたまりやすくなって虫歯になりやすくなります。そのため、必要に応じて、この歯肉弁は切除することがあります。

かみ合わせが上下反対になる場合

前歯の歯の生え方によっては、かみ合わせが反対になること(下の歯が前に出てしまうこと)があります。その場合は矯正治療で速やかに解消する必要があります。

開咬という不正咬合になる場合

上と下の前歯の生え変わりの際にできた歯と歯のスペースに舌を入れていると開咬という不正咬合になりやすくなります。→舌の正しいポジションを覚えるために訓練指導が必要になります。

当院の介入方法

前歯が萌出する際に、歯並びに不正があると自然に解消しないことも多いです。
その場合、
プレオルソなどの筋機能療法
歯列拡大装置、拡大床
などを用います。
また、悪習癖によっても不正咬合へとつながるため、引き続き
①口腔機能に対する訓練、指導(保険治療)
②MFT(自費)
を行っていきます。

子供の歯並びの治療方法について

9~12歳まで

幅の大きい犬歯が生えてくる際、前歯にしわ寄せがきて歯列が乱れてしまう場合もあります。
小臼歯、真ん中の歯が生え変わるときに6番目の歯が倒れることにより、さらなるスペース不足となり、歯並びが乱れることがあります。
思春期に入り、生活習慣も変化し、偏咀嚼や口や歯にとって悪い習慣(例えば、頬杖)により正中やかみ合わせがずれることもあります。

犬歯が生える際に、永久歯が生えるスペースが少ないと、犬歯が唇側に出てきたり、埋まったままになったりすることがあります。一番注意が必要なのは犬歯が他の歯を傷つけてしまうことがあるということです。

犬歯が生えてこない場合

犬歯が埋伏して左上12の歯根吸収をしている。
⇒犬歯生えてこない場合はどの位置にあるかレントゲンで確認が必要です。

当院の介入方法

  • 歯列拡大装置、拡大床、ペンデュラム
  • アクチバトールやヘッドギアなど

を用いた治療となり、永久歯も生えそろってくるため、だんだんと大人の矯正治療へと移行するようになっていきます。

13歳くらいまで

    真ん中の歯が生え変わり、乳歯がなくなり永久歯のみの歯列になります。
    7番目の歯が生えてくる年齢でもありますが、シザースバイトと言って、7番目の歯のみがかみ合わせがおかしくなることもあるので、定期チェックが必要です。

    当院での介入

    永久歯も生えそろってくるため、大人の矯正治療へと移行するようになっていきます。 歯列拡大装置を併用する場合もございます。

    子供の歯並びの治療方法について

    17歳以降

      親知らずが生えていきます。炎症やかみ合わせの兼ね合いで必要に応じて抜歯が勧められます。

      親知らずの抜歯の詳細はこちら

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