9割以上のインプラントが、10〜15年以上長持ちしている
厚生労働省が行なった調査によると、10〜15年後にインプラントが顎の骨に残っている確率は90%~94%、という結果が出ております。歯を補うブリッジや入れ歯などと比べると長持ちする治療となっております。
骨の少ない難症例でも9割近くが10年以上残っています。
このように骨の少ない難症例でも、骨のある症例に近い割合でインプラントは長持ちしております。
インプラントと他の治療方法との比較
歯を補う治療方法は、主にブリッジ、入れ歯、インプラントがあり、以下で比較検討します。
他の治療と比較した寿命や予後について
様々な報告ががあるため、一概には言えないですが、
10年での生存率は
インプラントでは92~98%
ブリッジでは85%
部分入れ歯 5年で50%程度
となっており、インプラントの一番生存率が高く、欠損補綴では第一選択になると考えます。
これはあくまで、ブリッジや入れ歯でもお手入れの状態、お口の環境、支えている歯の状態が良ければ、もっと長持ちする場合もあります。
しかし、ブリッジや入れ歯の場合、装置を支える歯の状態が悪くなってしまったら、装置自体の状態が良くても作り替えなければならず、再治療となります。その点インプラントは単独で機能させられるため、寿命も長くなりやすいと考えます。
インプラントの寿命を短くしてしまう原因
インプラント周囲の清掃不足(インプラント周囲炎)
インプラントは歯ではないため、虫歯にはなりませんが、歯磨きができていないとインプラントも歯と同じように歯周病のような状態になり、インプラントの周りの骨がとけてしまいます。インプラントは骨と結合することにより動かないため、骨がなくなるとひいてはインプラントも動くようになり抜けてしまいます。そのため、毎日の正しい歯磨き、定期的な歯科医院でのクリーニングを行うことが必要不可欠です。
喫煙
タバコの煙は、肺に影響する話はよく聞くと思いますが、タバコの煙はまず初めに口の中に入り、歯肉にも影響します。煙は免疫力を下げ、傷口の治りを悪くします。インプラントを長く安全に使用するためにも、治療希望のある方はできるだけ禁煙していただくことをおすすめしています。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、その力は体重以上にも及ぶことがわかっています。そのような異常な力を受け続けた歯やインプラントはかなりのダメージを受けてしまいます。マウスピースや訓練、咬筋ボツリヌス療法などを行うことで、できるだけそうした力がかかりづらいように行っていきます。
インプラントのメインテナンスの重要性
インプラントは非常に有用な方法でありますが、人工物でもあるため、メインテナンスは、長期にわたりインプラントを維持するために「必要不可欠」です。