歯がなくなった場合、インプラント、ブリッジ、入れ歯以外に、第4の選択肢として、歯の再植というものがあるのはご存じですか?
歯の移植(自家歯牙移植)は、歯を残すことが困難である部位もしくは、歯がない部位への余分な歯を移動させることで、歯の機能回復をさせる治療です。
しかし、自家歯牙移植はすべてに適応できる治療方法ではなく、デメリットもあるため、移植できるか検査、相談が必要になります。
歯の移植のメリット・デメリット
メリット
- 保険治療で歯の移植を行うことができる
- 健康な歯を削らずに済むため、ブリッジに比べて歯への影響が少ない
- 自分の歯でなくなった歯を回復することができる
デメリット
- 歯の移植が適応できない場合もある
- 他の欠損補綴に比べるとやや成功率が落ちる
- 移植後、根の治療やかぶせものの治療、予後の経過観察で通院回数が多くなる
- ドナー歯がないと移植することができない
- 移植する場所に充分な骨及び骨の幅が必要であり移植する部分、抜歯する部分の2箇所に外科治療が必要である
歯の移植の治療例
例2
根の病巣を認め、保存困難と診断した。抜歯した際、隣の横になっている親知らずを移植した。
歯の移植の適応
再植に歯の移植は誰に対しても行うことができる治療ではないため、検査、相談することが大事になります。
移植するための歯が存在していること
主に歯の移植では、余っている歯、機能していない歯を必要な部位に移動させるため、移植するための歯がないといけません。
移植するための歯
- 智歯(親知らず)や機能していない歯(噛み合わせに参加していない歯)
- 噛み合わせに不要な歯
- 移植する歯が根が複雑ではないこと
移植する歯が複雑であると、移植の際の歯の移動が難しくなります。
まず歯を抜くときに、移植する歯が折れる可能性や、移植する部位に抜いた歯がうまく適応できない場合があります。
移植する歯と移動する部位の大きさが合っていること
移植する場所に対して歯や歯根の大きさが合わないと移植することができません。
歯の移植の種類
- 歯の移植術
一般的な歯の移植、親知らずなどの余分な歯を保存困難な部位へ移動させる方法(上記説明) - 意図的再植術
難治性の歯の根の病巣に対して、歯を抜き、口の外で歯の根の処置を行い、再度歯を口の中に戻す方法(意図的再植術のページ) - 歯をぶつけたりすることで抜けた場合の移植(外傷性脱臼に対する歯の再植術)
転んだり、ぶつけたりすることにより歯が抜けた場合、抜けた歯の状態が良ければ、再度口の中に戻し、くっつけることができます。