治療方法は主に筋肉の働きを利用したMFT(口腔筋機能療法)というトレーニングや、小児期に装置を用いた治療方法、マルチブラケットという大人に使う矯正治療に分かれます。
口腔筋機能療法(MFT)
お口や舌の悪い癖や習慣、筋肉の不調和などが原因で、それらの機能が十分に発揮されず、歯並びや口の健康、顔貌に影響を及ぼすことがあります。 MFT(口腔筋機能療法)というトレーニングを行いながら、口腔周囲の筋肉や舌の機能を改善し、適切な発達を促します。
平成30年から日本歯科医学会は「口腔機能発達不全症」を疾患名として設定し、口腔機能発達不全症の治療は「保険適応」となっております。
※これは矯正治療とは違いますので何か装置を使って歯を動かしたり、顎の位置を変えたりするものではありません。筋機能療法だけ改善しないものに関しては、装置を使った治療が勧められます。
機能的マウスピース型矯正装置 プレオルソ
歯並びは、お口周りの筋肉の影響を受けています。小児期は身体が成長過程にあるので、お口周りの筋肉のバランスを整えやすいタイミングだと言えます。そこで、適切にお口の成長を促し、大人の歯が生えてくる土台を作るために開発されたのが「機能的マウスピース型矯正装置」です。
プレオルソの他にマイオブレース、T4Kなどがあります。
3つの特徴
- 柔らかい
子どもが嫌がるプラスチックなどではなく、やわらかい素材を使っています。お口にフィットするので、違和感や痛みも少なく着けることができます。 - つけるのは家の中だけ
簡単に着け外しのできる装置で、着けるのは日中の1時間と就寝中だけです。学校に持っていく必要もありません。一般の装置と比べてお口のケアがしっかりとできるので、虫歯のリスクも少なくなります。 - 歯並びだけでなく咬み合わせや筋肉のバランスを整える
歯並びの原因となる筋肉のバランスを根本から整えてあげることを目的とした装置なので口元が引き締まる、治療終了後の後戻りの可能性が低くなるなどのメリットがあります。
バイオネーター
バイオネーターとは、筋肉の動きを利用して下顎の骨の成長を前方へと促すための装置です。
主に上顎前突、過蓋咬合などの治療に効果がありますが、成長期のお子様にしか使用することができません。
拡大装置
永久歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪くて、きれいに並ばずにだんだんと歯がデコボコになることがあります。それはお子さんの骨格が小さい可能性があります。顎の成長期であれば、歯並びを整えるために顎の健やかな成長を促し、スペースを拡げて、歯を並びやすくすることができます。
その際に用いるのが、拡大装置と言います。
歯列の横幅が狭い状態を改善する側方拡大装置には歯の軸を主に外側へ傾斜させながら広げていく緩徐拡大装置とネジの力で骨ごと広げていく急速拡大装置があります。
拡大装置を入れた場合の治療前後
クワッドヘリックス
歯の裏側より、歯列を側方へ拡大する装置です。
バイヘリックス
急速拡大装置
真ん中の拡大ネジを回し、歯および歯の基底部の骨とともに、急速に拡大されます。
ペンデュラム
ペンデュラムとは、奥歯を後方に移動させる装置のことです。
マルチブラケット
マルチブラケットは、永久歯での矯正治療に使用する装置です。
ブラケット というボタンを歯の1つ1つに装着させ、装置にワイヤーを通し、歯列を結合させて、歯並びを整えていく装置です。
マウスピース型矯正装置
口の中にマウスピースをはめ込み歯を移動させる装置
(マウスピース治療には各社からでており、インザライン、シェアスマイル、クリアコネクトなどがあります。)
保隙
乳歯がむし歯などでやむを得ず抜歯になった場合、通常よりも早く歯が抜けると、歯の生え替わりひいては歯並びに影響が出ることがあります。影響を防ぐために、抜けた歯のスペースに歯がよってこないように、装置を入れます。
バンドループ(クラウンループ)
乳歯が抜歯になった場合、隣の歯に、歯が倒れないようにつっかえ棒のついたバンドやかぶせ物をつけ、歯が寄らないようにします。