0~2歳
0〜2歳は乳歯が生えはじめ、2歳半くらいまでに乳歯が生えそろう時期です。
おうちの方にチェックしていただきたいこと
- 乳歯が生え始める
- お口の清掃開始
- 歯茎の腫れ
- 形成不全歯
- 虫歯
乳歯が生え始める
乳歯は、生後8か月ぐらいから生え始め、2歳半頃までに生えそろいます。生えて間もない乳歯は未成熟であるため、虫歯になりやすく、いったん虫歯になると進行も早く重症化しやすいです。
お口の清掃開始
口の中をきれいに保つことで、虫歯などの進行を抑制することは出来ます。歯が生えると同時に、口腔衛生の管理を開始することが大切です。
歯茎の腫れ
口腔衛生状態が不良になってくると、歯茎が腫れ、不潔性歯肉炎が発症します。
歯肉炎が起きていると、歯ぐきが腫れて出血しやすくなります。 口腔内の清掃状態を良好にし、歯肉炎を抑えることが大事です。
3~5歳の注意点、治療
3〜5歳は子供の歯である乳歯の咬み合わせが完成する大事な時期です。
おうちの方にチェックしていただきたいこと
- 乳歯が生えそろう
- 乳歯の咬み合せが完成する
- 奥歯を大事にする
- 奥歯の虫歯
- 歯の先天性異常
乳歯がすべて生えそろう
3歳になると、全部で20本の乳歯が生えそろいます。
生えた歯を見て、乳歯の形や色が変だなと気づいた時は歯の形成不全が疑われ、虫歯になりやすい可能性があるため、注意が必要です。歯磨きの仕方、仕上げ磨きの仕方をしっかりと覚えていくことが必要です。
乳歯の先天的な異常が見つかる
乳歯の形、本数、色などに異常がみられる場合、これから生えてくる永久歯においても異常がみられることがあります。
歯の形態の色や形態の異常:乳歯の形成不全が疑われます。
歯の本数に関する異常:
癒合歯:歯がくっついている状態で生えている。生え変わりが遅くなることもあります。
過剰歯:過剰歯という、余分な歯がある場合もあります。
先天の歯の欠損:先天性部分無歯症といって歯がないこともあります。
乳歯の咬み合わせが完成する
全ての乳歯が生えそろい、上下顎の歯はしっかりと咬み合うようになります。
乳歯の咬み合わせは、顎骨の成長や永久歯の咬み合せに影響するため、問題がある場合、早期の治療介入が必要になる場合があります。
乳歯の奥歯は長く使うので、とても大事
乳歯の奥歯は3〜5歳では未成熟であり、虫歯になりやすいです。
また、 乳歯の奥歯は、9歳~12歳頃まで使うため、長い間使用します。乳歯の奥歯がダメになると歯並びにとても影響するため、奥歯をしっかりと歯磨きすることが大事になります。
6~11歳の注意点、治療
前歯奥歯などの永久歯が生えてくる大事な時期です。
おうちの方にチェックしていただきたいこと
- 生え変わりが始まる
- 生えたばかりの6歳臼歯は虫歯になりやすい
- 永久歯の数や形の異常が見つかる
生え変わりが始まる
6歳頃になると、前歯や奥歯の永久歯が生え始めます。
最初に、下顎の前歯から、乳歯が抜けて、永久歯が生えてきます。次に、乳歯の奥歯のさらに後方から、六歳臼歯が生えてきます。
その後、上の前歯が生えてくると、萌出スペースの不足などから、前歯の歯並びの異常が徐々に表れてきます。
萌出性歯肉炎
永久歯が生えるときに歯茎が腫れることがあります。
生えたばかりの6歳臼歯は虫歯になりやすい
六歳臼歯は、生えたばかりは未熟で虫歯になりやすい歯です。この歯は生涯健康にご飯を食べる歯でとても重要な歯です。悪くならないようにしっかりと歯ブラシをし、歯医者でチェックする必要があります。
永久歯の数や形の異常が見つかる
永久歯が生えてくると、歯に形態の異常があったり、そもそも生えてこないなどの異常を認める場合がございます。そうした場合は、今後の歯並びや口の中を健康にしていくうえで検討が必要になるため、歯医者に行ってチェックが必要になります。
12歳頃~注意点、治療
すべての乳歯が脱落して永久歯列期になる時期であり、第二大臼歯という一番奥の歯(親知らずを除く)が生えてくる大事な時期です。
おうちの方にチェックしていただきたいこと
①乳歯がなくなり、永久歯のみの歯並びになる
※乳歯が生え変わらない場合があります。
②第二大臼歯が生えてくる
③思春期性歯肉炎
④真ん中の歯の形態異常
乳歯がなくなり、永久歯のみの歯並びになります。
側方歯群という、真ん中の乳歯が生え変わり、永久歯になるため、歯並びの異常が目立つ時期でもある。歯並びを考慮して矯正治療などの介入検討する必要があります。
一般的な年齢別の歯並びの変化、注意事項について※乳歯が生え変わらない場合があります。
先天性の歯の欠損と言い、そもそも永久歯が存在しない場合、生え変わる永久歯がないため、生え変わりが遅い場合は歯医者に行き、永久歯の有無及び今後のことも考える必要があります。
(当院では通院中の方は小児歯科治療を行いながら、6~9歳のどこかでは永久歯が存在するかを事前に確認することがほとんどとなっております。)
⑤中心結節
9〜12歳で真ん中の歯が咬むようになっていきます。その際、真ん中の永久歯が、中心結節という鋭く折れやすい形態であることがあります。
そうした場合歯が折れると、根の治療が必要になることがあります。
治療:折れないように予防的にプラスティックで保護することがあります。
⑤第二大臼歯が生えてくる
一番奥に歯が生えてくる時期であり(親知らずを除くと)、噛むために重要な歯であるため、注意が必要です。生えてくるときは磨きづらくなるため、歯ブラシの仕方を注意する必要があります。
また、第二大臼歯は、生えてくるときに交差咬合という異常なかみ合わせになる場合もあるため、歯医者でのチェックが必要になります。
⑥思春期性歯肉炎
歯肉炎の主な原因は、歯の汚れになります。しかし、それ以外にもホルモンバランスや生活習慣が原因となるケースがあり、それが思春期性の歯肉炎です。
歯茎がはれっぽい、歯ブラシをすると出血しやすいという症状がある方は、生活習慣を踏まえたうえで、歯磨きの徹底し、虫歯や歯周病になりづらい口腔内を作る必要性があります。