リテーナー(保定装置)、保定について
簡単にいうと、矯正治療で歯を動かそうとすると、歯が元に戻ろうとする性質があり、歯並びが変化することがあります。
矯正治療後、歯が動かないようにするために、保定と言って動かした位置で歯を固定することです。歯列矯正治療後は保定をしないと後戻りや歯並び、噛み合わせのズレが生じてくることがあります。
当院では主に、リテーナーとよばれるマウスピースを使用して固定する方法と、歯の裏側をワイヤーで固定するFixワイヤー固定装置の2種類がございます。
●当院以外で矯正された方
患者様とお話ししていると、県外で矯正治療を行った後にリテーナー(保定装置)、ワイヤー固定装置が壊れてしまって修理してほしいといわれる場合がございます。
壊れてしまったからそこで保定をやめるのではなく、しっかりと保定装置を使い、後戻りを少なくすることが大事になります。
こんなことに悩んでいる方へ
- 矯正治療した医院へ通院が困難で保定装置を作製修理してほしい方
- 他院で矯正治療された方で保定装置をなくしてしまった方
- 他院で矯正治療して、ワイヤー固定が外れてしまった方
製作期間
(※予約時に相談)
クリアリテーナーの場合は半日程度で作成できるため、1日でお渡しすることも可能です。
その他のマウスピース型の固定装置は数週間程製作期間をいただきます。
ワイヤー固定装置は治療の予約を取得できれば当日装着可能です。
料金表
(他院での矯正治療した方の費用)
※当院で矯正治療を行った場合は、下記料金ではなく矯正再診料などに含まれます。
他院で矯正治療して、保定装置を新しく作りたい方、ワイヤーなどの装置が壊れて修理してほしい方
Fix固定 片顎 (修理の場合8,000円) ※状況によっては再装着困難な場合がございます。 | 10,000円 |
|---|
クリアリテーナー 片顎 (3か月以内の破損修理は再診料) | 10,000円 |
|---|---|
マウスピース型保定装置(リテーナー) 片顎 | 20,000円 |
保定の期間は?
個人差はありますが、矯正治療後3年間は保定期間として、3ヵ月から半年に1度歯のクリーニングや検診をしながらメンテナンス管理していることが多いです。
矯正治療終了後の直後の数ヵ月は歯根の周りの組織が安定していないため、特に後戻りしやすいです。
リテーナーにて保定する場合には、可能な限り装置をつけること、食事と歯磨き以外の時間はリテーナーを装着するのが望ましいと考えています。
リテーナーを外して数時間経ってから装着すると装着感がきつい感覚や歯がリテーナーの形に戻されるような感覚があったりします。歯が安定してくると個人差はありますが、数時間以上外してもそうした動いてくる感覚が少なくなってきます。
そのような状態になったら、外す時間を少しずつ、3時間、5時間、8時間、日中と増やしていきます。さらに安定したら、リテーナーの装着時間を寝ている間のみとして、徐々に装着時間を減らしていきます。
歯の裏側のFixワイヤー固定装置は、ご自身での取り外しはありません。汚れがたまらないように、歯磨きをしっかりして、ワイヤーが外れた場合は連絡いただき再度装着することが必要になります。
3年間の保定管理期間後には、患者様と相談し、保定をやめたい方はリテーナーの使用をやめたり、ワイヤー固定を外しています。
保定期間が終わっても注意が必要
ある程度の保定期間がたっても、骨の代謝は続きます。せっかく矯正治療で歯が動いても以下のような要因でまた歯が動いてしまう可能性がございます。
- 外力:舌や唇、歯ぎしり、食いしばり、吹奏楽などの楽器などの外からかかる力
- 親知らずによって押される力(矯正治療前後で親知らずによる歯の移動を減らすために、智歯抜歯の必要性がある
矯正治療と親知らず抜歯の関係性へ - 加齢や歯周病による顎の骨や歯周組織の変化などによる歯並びや噛み合わせの変化
そのため、保定3年以降も、引き続き経過観察、メンテナンスを継続することも重要です。
保定装置について
1. リテーナー(後戻りを防止するためのマウスピース)による保定

クリアリテーナー
いわゆるマウスピース、歯の全体を覆うような材料であり、厚さ0.75~1.0mmの透明な硬い素材でできていますので、目立ちにくいです。歯のみを覆っているため、違和感が少なく、ほかに比べ喋りやすく日常生活でも使用感が良い特徴があります。
メリット
- 目立たない
- 違和感が少ない
- 当日製作お渡しすることも相談の上可能
デメリット
- 穴が開いたり、割れたりするリスク
- 歯の治療で形が変化した場合には再作製の必要がある。
ベッグタイプリテーナー、ホーレータイプリテーナー、クリアボウリテーナー

基本的に、ワイヤーとレジンによって作られるマウスピースです。
歯の周囲、歯肉の周りにレジン、樹脂が当たるため、クリアリテーナーに比べ大きく違和感があり、発音もしにくく、目立ちます。しかし、噛み合わせの部分は覆わないためにクリアリテーナーよりも壊れにくいです。
ワイヤー部分を調整することで、多少の歯の調整を行うことができます。
クリアリテーナーのように即日での作製はできません。最低2~3週間以上の作製期間がかかります。
メリット
- 噛む面を覆わないので、消耗しづらい
- 修理もできる
デメリット
- 目立ちやすく、違和感が大きく喋りにくい。
- 作製時間に2~3週程度要します。
2. 歯の裏側のFixワイヤー固定
リテーナーは、管理が面倒であることが最大の欠点です。
食事の際は、外して、歯を磨いてからリテーナーを装着することになります。
リテーナーが面倒でさぼってしまっていると、再度矯正治療が必要になることも少なくありません。
リテーナーのように着脱する装置ではく、ワイヤー固定のように口の中に装着して外さない装置であれば、管理がしやすいです。
また、ワイヤー固定は基本的には前歯につけるため、唾液の関係で虫歯になりづらいです。Fixワイヤー固定の上にクリアリテーナーを装着することも可能であるため、歯の移動が心配な場合は二重構造で保定することも可能です。
メリット
- 取り外しなどの面倒がない
- 歯が動くことが心配なら、クリアリテーナーも装着し、二重で歯を動かないようにすることもできる。
デメリット
- ワイヤーが外れることがあるため、その場合は治療が必要
- セラミックにはワイヤーが付きづらい
