リアルタイムPCRセミナー②
こんにちわ!衛生士のF.Yです。
先日東京で行われた生田歯科医院の歯科衛生士による、歯科衛生士のためのセミナーに参加してきました。
主に歯周病菌についてとその検査方法、治療方法についてを学びました。
リアルタイムPCRとは歯周病菌のDNA検査の事です。位相差顕微鏡検査だけでは菌の形が分かるだけですが、DNA検査では菌の種類、量まで分かります。
どのような菌を対象にするのかというと、
重度の歯周病に影響があると言われている3菌種で『Red complex』とよばれる3つ。
①P.gingivalis(ポルフィノモナス・ジンジバリス)
成人の歯周病の主な原因菌。
骨を溶かす菌で、歯周病の悪臭の原因菌でもある。
②T.denticola(トレポネーマ・デンティコーラ)
運動性があり、細胞の中に入り込む。血液を餌にしており血管に入り込み増殖する菌。位相差顕微鏡検査で観察できるのはこの菌で、歯周病の増悪の目安になる。
③T.forsythia(ターネレラ・フォーサイシア)
P.g菌と同じく成人の歯周病の主な原因菌。
この3つの他にも
④A.actinomycetemcomitans(限局性侵襲歯周炎(前歯および第一大臼歯に限局して歯槽骨の吸収が認められるにも関わらずプラークの付着が少ない歯周炎)と関連がある。)
⑤P.intermedia(思春期性あるいは妊娠性歯肉炎を惹起する。女性ホルモンによって発育促進が見られる。スピロヘータと共に増殖する)
⑥Fusobacterium nucleatum(歯肉炎および壊死性潰瘍性歯肉炎の病巣局所で菌数の増加が見られる)
⑦Treponema属
の全7種が対象です。
これらを必要に応じて選択して検査を行います。
そして、多くの菌が検出された場合、抗生剤を投薬する歯周内科治療を行います。抗生剤を飲むことでプラークの量を減らすのではなく、プラークの質を変えるという考えです。そして薬が効いている間に1~2回、歯石取りを行う事が歯周病原因菌を減少させる最も効果的な治療だそうです。(2016年ISSAP総会特別公演鶴見大学五味一博先生の言葉を参考にさせていただきました)
重度歯周病の治療方法を学び、どのようにアプローチしていけば改善されるかがよく分かりました。そして、予防歯科がどれほど大事かを改めて感じました。
一般的に見られる歯周炎は、35才以上で発症し慢性に経過、進行していきます。自分は大丈夫と思っている方も実は発症しているかもしれません。毎日のブラッシングをおこたらず、半年に一度は歯医者さんで定期検診を受ける事がとても大切です。